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長命寺 桜もち 山本や
「キラキラ橘商店街」やら「鳩の街商店街」なんてうらぶれた街並みを、
一つ一つ少し疲れた店を覗きこみながらかなり歩いたところ、
結局桜橋近くの墨堤通りなんてあたりに出ると、やたら看板がある。
すなわち「長命寺桜もち」への案内看板である。
店は隅田川の東側(墨田区側)に川にへばりつくように、
春は花見客で溢れる細長~い公園のさらに北のはずれ、
川と一筋道路を隔てた位置に品良く一軒家で佇んでいる。
大きな暖簾がかかり、「櫻」「毛」「ち」と下がる暖簾に一文字ずつ大書されており、
その左には(銅かな?)金属の看板が縦書きで「長命寺」「さくら餅」となっており、その存在感を示している。
店内は入って左側に赤い毛氈がしかれた座卓、ここでは横座りになって、
昔ながらにお茶と「桜もち」をいただくのが相応しい。
また窓側に沿ってテーブル席もあり、4人ほど座れるものが計3つすべて満員になれば20人くらいは入れるでしょうが、おそらく春の花見時期には行列の待ち客がいるに違いない。
店内は清潔そのもので、よく手入れされているのがこちらにも伝わり、季節の花もそこかしこ、明るい店内に映える。
そこに年配女性が2・3人、「まだよろしいですか?」に「ハイハイどうぞ」と機嫌もよく、閉店直前の客であるにもかかわらず愛想が良い。またさらにぎりぎりに入って来た客にも笑顔を見せる。
座った席は、本来はこの赤い毛氈の上で、いただくのが良いとは思ったが、全体を見渡せる席を敢えて選ぶ。
こちらの注文は多分誰しもこの一品とは思うが、
「桜もち+煎茶」のセットでこれが¥250、ほんの1・2分で品は届きその姿を見た時いささか感動した。
美しい白木のかなり大きな箱に、これまた美しい桜葉に包まれた餡を包んだ白い餅、煎茶は逆にざっかけない普通の茶碗で出される姿が美しいと共に庶民的。
普通この桜もちは一つが¥200である。まあお茶はサービスと考えればよいのだろうけれども、街中の甘いもの屋あたりで、お茶とお菓子のセットで¥500あるいは下手すると¥700もとる店が多いことを考えると如何に良心的か分かる。
桜もち自体は甘みを抑えた上品な味でほんの二口で終わるものであるが、それは関係ない。
歩いてきた体の火照りで汗ばんだ体は汗も引き、満足感が残る。
本来甘いもの屋なんて最近はめったに行かないのであるが、
今までの経験を省みてもこの店ほど満足した店はない。